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【コラム】「数字は後から付いてくる」と割り切る勇気。分析よりも大切なこと。
「もっと細かく数字を分析したい。部門別やセグメント別など、3次元の軸で多角的に見えるようにしてほしい」
クラウド会計を導入しようとする経営者様から、こうしたご相談をいただくことがよくあります。向上心からくるご要望ではありますが、長年、経理代行の現場でお客様の浮沈を見てきた私たちが、あえてここで一石を投じたいと思います。
「その分析設定に凝る時間、本当にお客様や現場のために使えていますか?」
人間が処理できる「軸」には限界がある
会計ソフトは便利です。理論上、いくらでも細分化して、複雑なクロス集計を行うことができます。しかし、私たち人間が一度に脳内で処理し、具体的な意思決定に落とし込める情報の密度には限界があります。
どれほど緻密なグラフを作成しても、それを見て「なるほど」と満足し、翌日の行動が変わらないのであれば、その分析に費やした時間もコストも、すべて無駄になってしまいます。
そもそも、会社の業績を向上させるための道筋は、驚くほどシンプルです。
- 売上を増やす
- 費用を減らす
この2択しかありません。
分析しなくても、今すぐできること
「分析をすれば魔法のように改善策が見つかる」というのは幻想です。本当の打ち手は、数字をこねくり回す前から、経営者であるあなたの頭の中にすでにあるはずです。
たとえば、以下のアクションを起こすのに、詳細な分析が必要でしょうか?
【売上を増やす:攻めの施策】
- 休眠客へのアプローチ: 連絡が途絶えているお客様へメールや電話を一本入れる。
- レスポンスの高速化: 見積依頼への返信速度を上げる。これだけで成約率は変わります。
- 紹介の仕組み化: 既存の優良顧客に「ご紹介をお願いします」と口頭で伝える。
- 新商品・新サービスの開発: 既存の商品やサービスに満足せず、新しい商品やサービスを開発する。
- 「あと一言」のプラスアルファ提案: 納品時に「実はこんなことも始めました」と添える。
【費用を減らす:守りの施策】
- 不要なサブスクの解約: 「なんとなく」続けている会費やサービスを即解約する。
- 時間の節約: 利益を生まない社内会議を15分短縮し、オンライン化を徹底する。
- 相見積もりの実施: ルーチンで発注している備品や外注費を比較検討する。
- 振込手数料の削減: ネット銀行への切り替え、振込日の集約、少額支払のカード払い化。
- 「慣例」による支出の停止: 意義を感じない贈答や会食を、経営者の決断でやめる。
これらはすべて、詳細な分析をしなくても実行できることばかりです。
「数字は後から付いてくる」
緻密な分析を求める経営者の方ほど、数字を「操作すべき対象」と捉えがちです。しかし、本来の数字とは「正しい行動の後に付いてくる結果」に過ぎません。
現場が動き、お客様が喜び、無駄が削ぎ落とされる。その「熱量」が、最終的に試算表という鏡に映し出されるのです。鏡(数字)をどれだけ磨いても、実体(行動)が変わらなければ、映る姿は変わりません。
分析の迷路に迷い込むくらいなら、思い切って「数字は後から付いてくる」と割り切り、目の前の一人に会いに行く。その勇気こそが、停滞した業績を動かす原動力になります。
ケイリードが提案する「価値ある経理」
私たちは、単に言われた通りに、複雑な分析を実現するための支援をする業者ではありません。
「今、本当にその分析は必要ですか?」「その前にやるべきアクションはありませんか?」
時にはそんな耳の痛いアドバイスもさせていただく、経営の伴走者でありたいと考えています。背伸びをした分析で「わかったつもり」になるのをやめ、確実な一歩を共に踏み出しませんか。
編集後記
このコラムは、実際にお客様から「細かく分析したい」というご要望をいただいた際にお伝えしている、私たちの本音です。経理をシンプルに保つことは、経営の決断を速めることにも繋がります。




